新たな大衆演劇「ナゴヤ歌舞伎」が今動き出す!円頓寺ナゴヤ座、4月29日開館。

開店

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歴史深い名古屋市西区の「円頓寺商店街」。この街に新たな大衆演劇劇場『カブキカフェ ナゴヤ座』が4月29日(金・祝)にオープンする。

飲食をしながらショーを楽しめる新たなコンセプトのこの劇場の概要と、そこで繰り広げられる全く新しいエンターテイメント『ナゴヤ歌舞伎』の内容を、レポートを交えながらお届けします。

● 歴史風情ある商店街に上がる大衆演劇の幕

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ナゴヤ座がオープンするのは商店街の中程に位置する複合商業施設『那古野ハモニカ荘』の2階。

閉店した和食店『麒麟亭』が入っていた昭和10年代から存在する建物を、趣のある木枠部分を残しリノベーション、5件のテナントが入るようにした。
1階にはそば店と日本ワインを売りにした酒場がすでに2月にオープンしている。

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円頓寺商店街といえば名古屋で最も古くから存在する商店街で、かつては華やかさを極めたものの、時代の流れとともに衰退。
しかしまた、その歴史情緒と昭和のレトロな魅力、さまざまなこだわりを持った店舗が集まったことにより、再び注目を集めるスポットになりつつある。

そんな2016年の今、この場所に大衆演芸場が作られた経緯とはどういったものなのか。

その仕掛人は、中日劇場において毎年行われる『名古屋をどり』の日本舞踊西川流四世家元・西川千雅氏。

さらに氏が、東海地方を中心に舞台プロデュース業を手掛ける『ホタルギグ』の古川博氏と手を組み、作り上げられていった構想の発端は、今から5年ほど前にまでさかのぼるという。

「日本の伝統的な演劇をもとに、何か面白いことをやりたい」。
初めはその場所は円頓寺である必要はなかった。
しかしながら、新たに改装されたハモニカ荘に舞台と客席のスペースが設けられていたのは、単なる偶然なのか。
名古屋発祥の新たなエンターテイメントと、娯楽による活性化を図る商店街の思いがタイミングよく重なった、奇跡的な瞬間なのではないだろうか。

 

● 名古屋山三郎一座とカブキカフェ

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その劇場でショーを行うのは専属一座『名古屋山三郎(さんざぶろう)一座』。
実在する歌舞伎の祖の名を冠した「名古屋山三郎」に加え、架空設定の「名古屋山之助(さんのすけ)」「名古屋山平太(さんぺいた)」の3名からなる。

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第一弾公演は、日本神話をベースにしたオリジナルの物語『月読』を披露。
脚本・演出を西川千雅氏が担当、ド派手な演出、迫力のあるチャンバラや、ステージ上をうねり舞うヤマタノオロチなどが見物。
客席は40席と少ないが、だからこその迫力と熱気、そしてお客さんの反応を肌で感じることが出来る。

また、入場チケットにはワンドリンクが付いており、さらに場内でもドリンクを販売。フードもさまざまなメニューを展開する予定。

 

● 「ナゴヤ歌舞伎」は変幻自在のエンターテイメントだ!

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ナゴヤ座で観ることのできるショー「ナゴヤ歌舞伎」とはどういったものなのか?
現段階で明確に言い表すことは不可能だが、事前ゲネプロを観賞させて頂き、
筆者は「変幻自在の現代版大衆演劇エンターテイメント」の片鱗を確かに感じ取ることが出来た。

ロープや舞台脇の梯子、天井裏にまで登るアクションなど、カブキ的な派手さを感じられる演出はもちろん、セリフの中の言葉や言い回しに突然現代的な単語が登場するなど、伝統的な歌舞伎の枠に収まらない自由さがあるのだ。

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和太鼓の音が鳴り響き、一座が登場するシーン。荘厳さと物々しさが感じられる一幕だが、
よく見ると打ち鳴らしているのは太鼓ではなくポリバケツ
(決してリハーサル用というわけではない。)
ユーモアさはあるがコメディチックになってしまってはいない、現代的な『ちょい外し』のアレンジを、スタイルとして確立しようとしているのではないだろうか。
奇をてらう感じもなく、ある種の格好良さであったり、魅力に繋がっていると感じた。

一座はYoutubeアカウントも設けているが、上の動画のようなスターウォーズ風ライトセーバー演出も舞台で観ることができる。

伝統的なものとは違うかもしれないが、いつの時代も大衆演劇はその時その時に面白いと感じられるものを舞台上で試行錯誤して出来上がってきたものなのではないだろうか。
その大衆演劇の現代版というべきものが、今この時代に名古屋に生まれてくれたことが素直に嬉しい。

さらにその演出もこれから先、どんどん変わっていくことが期待される。それこそが「変幻自在」なのである。

 

● チケットの販売/オープニングウィーク「柿」

4月29日(金・祝)〜5月8日(日)まではオープニングウィーク「柿」と題し、記念イベントを開催。
チケットにオリジナルグッズ付きの限定500セットのオープン記念パック(5,000円/税込)を販売するほか、来場者に記念品をプレゼント。チケット単体は3,200円(税込)。

5月13日(金)以降の通常営業は、毎週金・土・日に昼の部・夜の部の2公演を開催。チケットは3,500円(税込)。

チケットの予約は公式Webサイトから可能。時間等詳細はサイトにて確認して下さい。

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これからのナゴヤ座が何を見せてくれるのか、どんな風に楽しませてくれるのか、どう変わっていくのか?が大いに楽しみであるとともに、
名古屋だけでなく市外、海外からもお客さんを集められるような名物スポットになることを期待したいところです。

 

※ひーこ様 情報提供ありがとうございました!!

MAP

場所 名古屋市西区那古野1-21
期間 2016年4月29日(金・祝)オープン
公演時間は公式サイトを参照して下さい
料金 公式サイトを参照して下さい
公式サイト ナゴヤ座