JR名古屋駅・桜通口側ロータリーにそびえる巨大モニュメント「飛翔」の本格的な解体・撤去工事が2022年6月6日(月)の夜から始まります。
もう見ることができなくなる様々な光景を収めてきたので、今後の詳細や経緯とともにお伝えします。
名駅の象徴「飛翔」33年の歴史に幕
「過去から未来への発信」をテーマとして1989年(平成元年)に設置された「飛翔」。
設計者は建築家の伊井伸さん。
螺旋を描いたような円錐フォルムはステンレスパイプで縄文式土器の縄を再現しているそう。
中央・底からの高さは21メートル、最大直径は23メートル。
巨大な規模と近未来的なフォルムから、愛知県民だけでなく他県からの観光客にも印象に残っていました。
親しみはあるものの正式名称の「飛翔」ではなく「ときんときんのアレ」や「名駅のぐるぐる」など愛称で呼ぶ方が多かったのも特徴ですね。
もともとは夜間のライトアップや、噴水の演出も備わっていますが現在は停止。
そして名古屋駅地下街・ユニモールに直結しており、災害時の一時避難場所としても機能していました。(※関係者以外は通常立ち入り禁止)
撤去理由はリニア中央新幹線の開通に伴い、東側駅前広場を再整備するため。
名古屋市によると「ロータリー交差点の改良などを行い「飛翔」の位置まで広場を広げ、まちにつながる歩行者空間、乗換空間等の整備を図ります。」とのこと。
飛翔の解体・撤去が終了した後は、地下部の工事→道路工事→交差点形状の三差路化が予定されています。
「飛翔」は撤去後どうなるの?
撤去のための工事期間は2022年6月6日(月)夜から10月下旬を予定。
まずは下準備から始まり、その後パーツを解体する作業に移っていくそう。
作業に伴い、周辺道路の一部において車線の交通規制を行うことも発表されています。
解体・撤去された「飛翔」のパーツは名古屋市港区の市有地で一旦保管。
今後の移設予定地として「ささしまライブ・名古屋高速道路高架下」が有力候補となっていましたが、高さに制限があることから再検討されています。
平成の時代を駆け抜けた飛翔
平成元年から令和四年まで名古屋駅前の象徴として愛されたモニュメント「飛翔」。
33年という長い歴史で当たり前の存在となっていたため寂しくなりますが、リニア開通を迎える新たな名古屋駅前の姿にも期待したいですね。