“アートの街”として新たな側面を創出している名古屋市中区の「長者町」で、
3月に解体が始まる老舗呉服店の旧社屋を利用して開催される現代アート展『オカチなAMR』が、3月1日(火)〜3月13日(日)まで開催されています。
「オカチなAMR」が開催されるのは、長者町にある老舗呉服店『岡地株式会社』の旧社屋ビルの1F。
50年近く前に建てられた古いビルは、この3月に解体されることが決定している。
この場所で最後に展覧会を企画したのが、長者町に共同アトリエを構える芸術家集団『AMR』だ。
古いビルの1Fおよび2Fの窓ガラスには、AMRのメンバーの一人、河村るみ氏による作品『ビュートレス』が描かれている。
これは蜜蝋クレヨンで窓の外に見える景色をガラス面になぞって描かれた作品で、長者町で開催された『あいちトリエンナーレ2013』の際に制作され、その後もこの街の景観を彩ってきた。
もちろんこの作品もビルの解体とともになくなってしまうが、それならば最後の華を、という思いが今回の展覧会開催に至ったきっかけとなったようだ。
会期中は1F窓ガラスに描かれた作品を閲覧することはもちろん、誰でもビュートレスを窓ガラスに自由に描くことができる『ビュートレスワークショップ』が、3月4日(金)/5日(土)/13日(日)の3日間開催、無料で体験することが可能となる。
ほかにも会場ではAMRメンバー5人とAMRに関わってきたアーティストによる作品が展示。
写真や映像、ライブペイントやインスタレーションなど創造性を刺激する作品の数々は、開催場所である呉服店の旧社屋という空間から着想を得たものも多く、レトロな雰囲気や空気感もふくめ楽しめるものとなっている。
(※出展アーティスト:河村るみ/浅井雅弘/前川宗睦/中村香央里/鈴木優作/平松伸之/設楽陸/藤井龍)
繊維街からアートの街へと移り変わる長者町は、すでに今年の夏から開催される『あいちトリエンナーレ2016』の会場の1つとしても決定済み。
シャッター街にアート作品が溶け込み、新旧入り混じった雑多さが新たな魅力を生み出している。
アートと街の関わりを模索する人々の力と、それを受け入れる古くからの街の人達の寛容さが、その魅力の源なのではないだろうか。
これからの長者町の発展に大きく期待したいところだ。
MAP
場所 | 名古屋市中区錦2-3-12 岡地株式会社旧社屋1F |
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期間 | 2016年3月1日(火)〜3月13日(日) 12:00〜19:00 会期中無休 |
料金 | 入場無料 |
公式サイト | AMR |