名古屋城から東区・白壁付近を通って徳川園へと抜ける「文化のみち」。
その西の起点として位置づけられているスポットが『名古屋市市政資料館』です。
巨大なレンガ造りの洋館の中には膨大な市政資料をはじめ、かつて裁判所だった頃の名残が多く見どころは満載。
かつ入場料無料ということもあり穴場の観光スポットなのです。今回はその魅力を存分に紹介します。
目次
名古屋市市政資料館とは?
官庁街から少し離れた閑静な場所に威風堂々と佇む巨大な洋館。
元々は裁判所としておよそ60年もの間使用されていましたが、1979年に移転のため使われなくなった後、1989年に市政資料館として開館しました。
建物は大正時代の1922年に建てられたもので、ネオ・バロック様式かつ、日本国内ではこの時代以後ほぼ造られなくなった最後の大規模なレンガ造りの建造物と言われているのです。
その名の通り市政資料・公文書を保存し閲覧/展示が可能な施設となっていますが、まずこの建物自体を観に来るだけでも建築好き・レトロ好きにとっては大きく心を動かされるものがあります。
それでは、館内の主な見どころをご紹介していきましょう。
ロケ地の定番!大階段のある荘厳な空間
まず館内に入ってすぐに私たちを出迎えてくれるのが、ゴージャスな大階段です。
2Fから3F部分のかけて吹き抜けになっている空間はネオ・バロック様式そのもの。
ところどころ部材が大理石で出来ておりその重厚感に圧倒されそうになります。
アーチ型の屋根、いくつも立ち並ぶツートーンの柱、左右対称の作りなどにまるで大聖堂のような荘厳さを感じるでしょう。
実はこの建物、『坂の上の雲』『華麗なる一族』『花より男子2』といったテレビドラマをはじめ、映画などでも頻繁にロケ地として使用されているスポットでもあります。「どこかで見たことがあるような…?」という既視感をおぼえる人もいるかもしれませんね。
大階段の正面のステンドグラス。
無料で観覧できる施設でここまで豪華なステンドグラスが観られるというのはかなり貴重です。
まるで豪華絢爛な舞踏会のような雰囲気。
女性ならドレスを着て出掛けたくなってしまうのではないでしょうか??
実際の法廷の様子を●●●●で再現
館内には大小さまざまな部屋があり、これらは元々会議室や検事室などとして実際に使われていました。
現在はこれらの部屋に公文書や市政資料、さらには司法資料などが展示されており、閲覧することが可能になっています。
さらには明治時代から現代に至るまでの裁判の様子をマネキン人形を使って展示する部屋もあります。
裁判官や検事の服装もしっかりと再現されていて興味深いです。
こちらは現行憲法下の法廷の様子を再現した部屋。
現実の生活においてこうした場に足を踏み入れるということは相当な厄介事なので、こうして展示で見られるのはとても貴重。
若干あやしい雰囲気ではありますが、シリアス感は醸し出されています。
地下空間に潜む闇
華やかな大階段の間から地下部分(実際には1F)に降りていくと、途端にこれまでとは全く違った重い雰囲気に様変わりします。
薄暗くひんやりとした冷たい空気の空間・・・
そう、ここはかつて留置場として使用されていた場所なのです。
雰囲気は上階の華やかさとは完全に真逆。光と闇、美徳と背徳のコントラストに身震いしそうになります。
実際に使われていた囚人の牢獄のうち、独房1室・雑居房1室のみ中を観ることが可能になっています。
映画の中でしか見たことのない光景。思った以上に狭苦しさを感じます。
小さな子供を連れていったら泣き出しそうですが、罪と罰というものを体感させるためのいい機会になるかもしれませんね。
喫茶室で少しの休憩も
2Fには喫茶室もあり、コーヒーなどのドリンク類のほかサンドイッチやトーストなどの軽食も食べられるので、文化のみち散策の合間のちょっとした休憩にも使いやすいスポットになっています。
これだけ施設も充実していて見応えもあり、しかも入場料無料とはあまりにも大盤振る舞いすぎる!!スポット。
名古屋の中でもかなり上位におすすめできる観光地なのに実際にはあまり人がいません・・・もっと多くの人に魅力に気づいてほしいです。
アクセスと開館時間などその他の情報
名古屋市市政資料館への公共交通機関でのアクセスは、
地下鉄名城線「市役所」駅から徒歩8分、名鉄瀬戸線「東大手」駅から徒歩5分、
またバスでは、市バスの幹名駅1系統もしくはメーグルの「市政資料館南」バス停から徒歩5分程度で到着します。
場所 | 名古屋市東区白壁1-3 |
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開館時間 | 9:00〜17:00 |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は直後の平日) 第3木曜日(祝日の場合は第4木曜日) 12月29日〜1月3日 |
入場料 | 無料 |
公式サイト | 名古屋市市政資料館案内|名古屋市 |