名古屋にいながらチベットにトリップ!守山区『強巴林』で密教の世界を体感する。

観光

chambalin11

名古屋市守山区は、昔から【名古屋のチベット】などとしばしば揶揄されることがある。
ほんの15年ほど前までは、志段味地区を中心に未開拓の山林が広がる”陸の孤島”状態だった為、当時としては納得がいく表現だったのかもしれない。
今では奥地まで開拓が進み、大型商業施設が出店するという噂もあるほど発展した地域となった。

ところが守山が名古屋のチベットであるという位置付けを確固たるものに押し上げているのが、青葉台にあるチベット寺院『強巴林(チャンバリン)』の存在だ。
外部も内部も周辺とはまるで異世界。名古屋に居ながらにしてチベットにトリップ出来る「強巴林」の歩き方と魅力をご紹介しよう。

◆ 強巴林とは

chambalin1

古い中国のB級カンフー映画に登場しそうな石段が続く、周囲の景観とはあまりに異質な寺院。これが「強巴林」の入口だ。
交通機関で行った場合、ガイドウェイバス「ゆとりーとライン」の「竜泉寺」停もしくは「吉根口」停が最寄りだが、この二ヶ所の停留所の丁度中間ぐらいの位置にあり、何故かこの箇所が長いバス停空白区間となっているため、どちらの停留所で降りても遠い

chambalin6

「チャンバリン」とはチベット語で『弥勒寺』を意味する。
寺は、チベット密教の寺院・ジョカン寺で最高責任者である高僧から受戒を受けた日本人女性の住職が、2005年にこの地に建立したものだ。
黄金の屋根やサイケデリックな色彩の装飾物などの様式は、チベット・ラサのジョカン寺の様式そのものに模してあるという。

 

◆ 御利益満載(?)強巴林の見どころ

chambalin2

石段下で目を引く三つの首の竜が水を吐き出す鐘撞堂。
これは【悪因縁落としの鐘】と言われるもので、鐘を鳴らすと自分の悪因縁が下の水槽へ落ち、洗い流されるという。
3回鳴らすと苦が一つ落ち、さらにそれを3度繰り返すことによって悪因縁が1つ落ちるというのである。

鳴らしてみたが、うまく鳴らすことが出来なかった。私の悪因縁は落ちないらしい。

chambalin3

こちらは黄金の筒のようなものにサンスクリット語の文字が刻まれた【マニ車】。
この筒の下に付いているハンドルを、『オンマニ ペメフン』と唱えながら時計回りに一回回すと、一回読経したのと同じ事になるそうだ。
だとしたら、『オンマニ ペメフン』と唱える必要もなさそうなものだが、何なんだ、オンマニ ペメフン

chambalin5

寺院の屋根や柱のいたるところに架けられている旗は、【タルチョ】といい、一枚一枚に願いが込められている。
この願いが込められた旗が、やがてボロボロになって自然と風に流されていった時、その願いは叶うと言われている。
一枚一枚の旗は本当にボロボロで、筆者はチベットには行ったことはないが、以前に行った東南アジアの地方の光景を彷彿とさせる。これは素晴らしい。

 

◆ いよいよ強巴林のご本尊へ…

chambalin4

いよいよこの門の先が、強巴林の本堂だ。
だが、残念な事をお知らせせねばならない。

この先は、撮影禁止となっているのだ。

本堂の中には綺羅びやかな強巴林本尊・12歳の頃のお釈迦様の顔の像【釈迦牟尼仏】や、それを取り巻く【十二体の菩薩像】、極彩色で描かれた【仏画】、天井に描かれた大宇宙を示す【マンダラ】がある【瞑想の間】など、見所盛り沢山だ。

建物は2階建てになっており、神秘的な密教の世界を体感できる美術館的な側面もありつつ、あまりにディープ過ぎて独特のアヤシさが漂う秘宝館的な側面もありつつ、、、

この異様な雰囲気を写真で皆様にお伝えできないのがあまりに残念だ。

 

◆ 金色屋根と春日井を見渡す絶景ポイント

chambalin7

本堂の脇の階段からさらに上に登ると、美しい金色をした強巴林本堂の建物を裏側から見ることが出来る。
ここまで来ると、標高も結構なものになっており、その先の風景も非常に美しく、晴れの日であれば春日井の王子製紙の工場なども望むことができる。

撮影はしなかったが、夜になるとこの場所はサイケデリックなライトアップもされるので、そちらも見所だ。

 

◆ 超レア・チベットカレーが味わえる『カフェ パルコル』

chambalin9

麓にある極彩色の建物は『カフェ パルコル』だ。
名古屋では滅多にお目にかかることの出来ない「チベットカレー」を始め、若干とっつきにくい味も日本人向けにアレンジしたというチベット料理のアラカルトの数々が味わえる。若い女性にも人気だとかなんとか。

 

 

chambalin10

隣地には無料大型駐車場も設置されているので車での来場も安心。というか、多分車で来た方が良い。遠いから
寺への立ち入りは無料だが、本堂に入る際にお線香代として200円が必要なので注意。

ここまで書いておいて、いかにもオススメ観光スポット風な紹介をしてしまったが、
多分にB級要素が強いディープなスポットのため、清廉かつ純真無垢な少年少女の初めてのデートスポットとしての利用などは、あまりオススメしない。寺を出たあと、一抹の気まずい空気が流れることが容易に想像がつく。
それなりの心の準備をした上での一人来訪か、気心知れたディープな仲間達との参拝をオススメしたい。

MAP

場所 名古屋市守山区青葉台101