昨今は独創的なスパイスの配合を前面に押し出した「スパイスカレー」の専門店が流行りであるが、我々が昔から愛してやまない「日本的なカレー」の専門店となると、チェーン系を除いては非常に数が少ないように思う。
名古屋で「日本的なカレー」を丁寧に作る専門店として、ド直球にそれに当てはまるお店として名を挙げたいのが、千種区・今池にある『カレー小屋 吉(きち)』だ。
カレー好きがお忍びで通う秘密の隠れ家のようなお店であるのだが、ここだけでこっそりとご紹介したい。こっそりと・・・
シンプルなカレーを味わえる今池の隠れカレー小屋
今池交差点の南西、飲食店が軒を連ねる界隈にひっそりと佇む「カレー小屋 吉」。
隣にはドラゴンズファンの聖地として知られる店『ピカイチ』があり、そのド派手な店構えとはじつに対照的。
木の質感が映えるログハウス的な店内はカウンター席とテーブル2卓のみの小さな空間で、まさにカレー小屋の名にふさわしい。
どことなくレトロな感じが漂っているのも魅力的。
メニューはシンプルにカレーオンリー。
●チーズカレーライス・・・770円
●ウインナーカレーライス・・・820円
●からあげカレーライス・・・820円
●ロースかつカレーライス・・・870円
●えびフライカレーライス・・・870円
さらに生卵および目玉焼き、チーズのトッピングが追加出来るほか、+100円で大盛、+200円でドリンクセットをオーダー可能となっている。
ジューシーな揚げたてカツと共に味わう「ロースかつカレー」
今回オーダーしたのは『ロースかつカレー』(870円)。
テーブルに置かれた瞬間からそのエキゾチックな香ばしさにやられそう…
とはいったものの、これは「日本的なカレー」なわけで「エキゾチック」という表現は本来おかしい。私が感じた「エキゾチック」な香りとは幻想の「エキゾチック」なのだろうか…
などと、どうでもいい考えをスプーンを手に取る前にひとしきり脳内に巡らせていた_
なお、お昼はミニサラダ付き。
“ザ・古き良き食堂のカレー”感満点のルックス。鮮烈な赤い福神漬がよく似合う。
ご飯とルーの量のバランスもベストと言えるのではないだろうか。
ルーを口に含むととろりとした口当たり。
そしてフルーティな甘みの中に、スパイスがしっかり効いており深い所でピリピリっとくるのを感じる。
家庭的な見た目ながら大味な感じがなく繊細。
しかしながら日本的なオーソドックスカレーの域からは離れていない安心感があるのだ。
ロースカツは揚げたてで衣のサクッとした歯ごたえが気持ちいい。
肉もジューシーでそのままで味わうのも、ルーに浸けてビタビタにして味わうのも良し。
辛さが足りない人向けに、テーブルには追加用の辛口スパイスが置かれていた。
そして昔ながらな食べ方がしたい人向けに、ソースも…
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ロースかつ以外にもからあげやウインナー、エビフライなどのメニューがあるが、あまり奇をてらわずどこまでもシンプルなカレーのみにこだわっているのが特徴的。
日本で独自に発展してきた「カレーライス」という料理を存分に楽しむことを全面的に肯定するお店といえるのではなかろうか。
「カレーライスの口」になった時にはぜひとも足を運んでみてほしい。
※メニューや価格、店舗情報等は変更となる場合があります。
MAP
場所 | 名古屋市千種区今池1-14-5 |
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営業時間 | 11:00~15:00 17:30~20:00 |
定休日 | 日曜日 ※不定休あり |
公式サイト | なし |