およそ10年に及ぶ復元工事が進められてきた『名古屋城本丸御殿』がいよいよ完成。
完成公開の日程が2018年6月8日(金)に決定しました。
◆ 名古屋城本丸御殿とは
名古屋城本丸御殿は、名古屋城本丸に位置する建物で、元々は1615年に徳川家康の命によって作られました。
尾張藩主の住居とする目的で建てられましたが、1620年以降は将軍が江戸から京都に参じる(上洛)際の宿泊場所として利用していたとされています。
総面積は3,100㎡、13棟の建物で構成され、木造平屋建・こけら葺き書院造として、京都の二条城の二の丸御殿と並び、江戸期最先端技術の粋を極めた近世城郭御殿の最高傑作です。
1930には天守閣と共に国宝第一号に指定されましたが、1945年の空襲により建物の全てを焼失。
しかし幸いにも焼失を逃れた、障壁画、実測図、写真、礎石などの豊富な史料をもとに、専門家の協力を得て2009年1月から復元工事が着工しました。
◆ 本丸御殿の復元工事
復元工事着手から4年後の2013年にはじめて第一期公開として「玄関・表書院」などが公開、2016年6月の第二期公開では、宴席の場などに使われた「対面所・下御膳所」などが公開されました。
第三期公開・完成公開となる2018年6月には、江戸幕府将軍が宿泊するために建造された最も豪華絢爛な施設「上洛殿・湯殿書院」などがいよいよ公開、10年をかけた復元計画が完了します。
本丸御殿の復元工事は、観光資源の創出という目的以外にも、「狩野派」の襖絵などをその当時の美と色彩感覚のままに現代によみがえらせるための緻密な作業による復元模写や、木曽産の檜など旧来の材料の使用や伝統技法を受け継ぐ工事作業を通じて、先人の技や知恵を未来へと継承し、「ものづくりの技、心、自然環境の大切さ」を後世に伝える文化的な意義もあるのです。
また、この完成公開に先駆けて、2018年3月には名古屋城下の二箇所の区域に商業施設『金シャチ横丁』がオープン。
さらに、名古屋城天守閣の木造再建も2022年に竣工予定とされています。
尾張名古屋の象徴たる城の本物の歴史を体感できる日が刻一刻と近づいています。楽しみですね。
MAP
場所 | 名古屋市中区本丸1-1 |
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公開日 | 2018年6月8日(金)第三期公開/完成公開 |
公開時間 | 9:00〜16:00 |
入場料 | ※名古屋城観覧料が必要 大人:500円 中学生以下無料 |
公式サイト | 名古屋城公式ウェブサイト |