名古屋駅からJR中央本線で30分程度の手近な場所に、豊かな自然を感じられる『定光寺(じょうこうじ)』というスポットがあります。
寺院を中心として瀬戸市と春日井市にまたがる山地一帯は、水と緑、そして和の風情をふんだんに感じられる景勝地。
四季折々に様々な表情を見せてくれますが、特に「秋」がおすすめです。
今回は定光寺周辺の観光スポット・歩き方をご紹介します。
定光寺の歩き方マップ
今回歩くのは、JR「定光寺」駅から、登山道を経由して定光寺公園に抜けたのち、定光寺本院から山の上の展望台に至るコース。
片道40分程度の想定ですが、山道が続くので慣れない方はまめに休憩をはさみながら進むようにしましょう。
駅近くから眺める渓谷+αの風景
JR定光寺駅は日本国内でもレアな断崖絶壁の上に立っています。
普通電車しか止まらない無人駅とあって、普段名古屋市内でしか行動しない方にとっては駅自体も非常に新鮮なものに感じられますよ。
駅のすぐ前に流れるのは庄内川ですが、この付近は『玉野川』と呼ばれることもあります。
渓谷に架かる『城嶺橋(しろがねばし)』を渡ると、春日井市から瀬戸市に入っていきます。
ここに来た時点で、名古屋とは気温が一度下がる清涼感を感じられるでしょう。
そしてこの橋の上から見える名物風景が、『千歳樓(ちとせろう)』。
この建物は2003年まで旅館として営業していたのですが、廃業後に放火による火事があり、その朽ち果てた姿のみを今に残しています。
現在でも徐々に廃墟化が進んでおり、廃墟マニアにとっては人気のあるスポットだとか…。
千歳樓付近の探検は今回は割愛しますね。
めざせ健脚!滝の見える登山道
城嶺橋を渡ると山の方へつづく登山道に入ります。
舗装された歩きやすい道もあるのですが、今回はあえて脇を流れる小川沿いの側道を行きます。
側道への入口は『健康の道』と書かれた看板が目印です。
健康の道というだけあり、側道はかなりアップダウンがきついですが、そこは目指せ健脚!の意気込みで登りきりましょう。
この道を行くメリットは、鬱蒼と茂った深い緑の中に囲まれる点。
シダなどの山にしか生えない植物を眺めたり、山地ならではの清涼感を感じながら歩くことが出来ます。
登山道の中腹からは滝を眺めることも出来ます。
マイナスイオン浴び放題〜♪です。柵がないので落ちないように気をつけてくださいね。
池と芝生が広がる休養地・定光寺公園
登山道を抜けると、広大な芝生と池が広がる『定光寺公園』に出ます。
山登りで息切れがし始めた頃合いだと思うので、ここでいったんのんびりしましょう。
人目さえ気にしなければ、芝生の上で大の字で寝たくなります。
池の真ん中には日本庭園のような風情が漂う『弁天橋』と、その橋を渡った先に六角堂があります。
カエルの鳴き声がやたら鳴り響いてるな…と思ったら、アヒルの声でした。
住みやすい環境なのか、至るところにスイスイと泳ぐ姿を見ることが出来ますよ。
応夢山定光寺・本堂へ
定光寺公園北側に、『応夢山(おうむざん)定光寺』の参道入口があります。
お寺に行くには長〜い石段を上っていきます。その段数155段(間違ってたらゴメンナサイ!)。
そこまで急な角度ではありませんが、ここまで散々山登りしてきたので若干ツラいです。。。
石段を上りきると定光寺の山門が姿を現し、そこから境内へと入ることが出来ます。
応夢山定光寺は、鎌倉時代に『格源禅師(かくげんぜんじ)』という禅僧が、この地で修行を行っていた際に、夢の中でこの場所に寺を作れというお告げを聞いて建立したという、「夢に応えた」寺なんですね。
国の重要文化財にも指定。
そしてなんといっても、この場所は紅葉の名所なんです!
秋の見頃になると、真っ赤に色づいた葉が境内を彩ります。
このような秘境の地にありながら、週末とのもなるとかなりの人出になる人気のスポットなんですよ!
徳川初代藩主が愛した展望台からの眺め
定光寺境内から少し西に行くと、『展望茶屋』と書かれた看板が立った小高い場所があります。
案内のとおりに登ってみると。。。
「展望茶屋」と書かれた小屋がありますが、どうやら営業はしてないみたいです。。。
ただし、『展望』というだけあってそこに広がる景色は。。。
春日井から瀬戸の雄大な山々を眺められます。
実はこの場所、尾張藩の初代藩主・徳川義直が尾張国を一望出来る地として度々訪れ、その風景をあまりにも気に入ったため、この場所に墓を作ってほしいと遺言を残したとされているんです。
その遺言の通りに、近くには義直の廟所があり、今もその姿を観ることが出来ます。
さらに「ディープな定光寺」・東海自然歩道へ
今回の旅はこれにて終了ですが、実は定光寺公園の南側に、
さらにディープな定光寺を体感できる場所、『東海自然歩道』があります。
愛知環状鉄道「中水野」駅方面へと続く約4kmほどの道ですが、
この場所はこれまでの道のりをさらに上回る陽も隠れる程の鬱蒼とした山道となり、
森羅万象を司る大自然の雄大さ・そしてその精気までも感じられるほどの深みある道です。
ただし、東海自然歩道に入る場合は、
● 地図やマップアプリなどを見て迷わないように気をつけてください
● 夕暮れなど暗くなる時間帯には絶対に入らないようにしてください
脚力に自信のある方は、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。