地下鉄東山線「中村日赤駅」より徒歩7分。静かな住宅街に佇むレトロなビル。そこに全国各地から服飾に使用するボタンを求め多くの人が訪れるお店がある。
毎日じっくり選んでいる服についたボタン、このボタンを「ちょっと気にしてみようかな…」そんな気にさせてくれるお店が今回紹介する『ギャラリー立松ボタン』です。
ボタンはとても手軽なおしゃれのリメイク
ボタンの用途を考えた時に多くの方が洋服で使用するというイメージがまず思い浮かぶと思います。しかしその頭の中に浮かべたイメージをワクワクしながら何倍にも膨れ上げさせてくれるのがこちらのお店です。
近年お手軽な価格帯で服の購入が出来るファストファッションが多くなり愛用する人も多くなってきました。大量生産・大量消費の中で個性が出しにくくなる中、個性をどこに出すかを模索しリメイクする人も居ます。その方法の中で手軽に挑戦出来るのがボタンの付け替え。ボタンを付け替えるだけでも新しい服を手に入れたかのような喜びを感じる事が出来ます。
ドアを開けたら一面ボタンの世界。問屋さんが始めたお店で在庫は未知数
こちらの立松ボタンの店舗は数多くの小売店へボタンを卸す問屋を営んでいたご夫婦がボタンの在庫を置いていたビルの1階部分を自らも小売が出来るようにと改装し2011年にオープンしました。卸していた小売店の中には有名百貨店もあり在庫は豊富。ご主人に在庫数をお伺いしても「これが多すぎてわかりませんねー」と笑って答えて下さいました。よって在庫数は未知数。
しかし欲しいボタンのイメージを伝えると「ん〜」とご主人が少し頭を悩ませながら3階の倉庫へ上がり宝探しのようにイメージに合ったボタンを見つけてきてくださいますので具体的にどんなボタンが欲しいかという要望があったら聞いてみるのをオススメします。
樹脂ボタンが大量消費されている現代ではありますが、お店には水牛の角、貝、革といった珍しい材質のボタン、歴史を感じさせる貴重なレトロボタンやアンティークボタンにも出会えます。ひと味違った個性を出すには申し分ない品揃えです。
お気に入りのシャツのボタンのお見立てをお願いしてみました
先ほどもご紹介したように手軽に出来る服のリメイク『ボタンの付け替え』。
今回アウトレットモールで購入したお気に入りのシャツをお店に持って行きボタンのお見立てをお願いしてみました。
シャツの上下がグレーとホワイトの2トーンに分かれたシャツを購入したのですが顔に近い方がグレーで顔色も暗く見え、ボタンもくすんだ白と地味だったのでボタンをもっと遊び心入れたものにしたいとリクエスト。
大きさや厚みや材質などボタンを選ぶポイントをまずお伺いし、次に色彩コーディネーターの資格を持つ奥様と一緒に服にあったボタンをチョイス。キャンディのようなカラフルなボタンや貝殻で出来たボタン、国旗のデザインが施されたボタンなど様々なものがシャツの周りに並びました。
キャンディーのようなカラフルなボタンを数種類の色を使ってレイアウトしたものにするか、カラーとモノトーンで2種類のバリエーションがあったイギリスの国旗ボタンにするかで悩みましたが今回選んだシャツは2色のトーンで分かれていたというのもあり同じ2種類というのを組み合わせて楽しんでみましょうとイギリス国旗のボタンに決定。袖のボタンも右と左で統一せず、色を変える変化も加えました。
さらにはボタンだけでなくボタン用途に使える丈夫な糸も2種類の色を選びました。
インターネットでもボタンは購入する事が出来る時代ですが、ボタンの直径や厚みやエッジの形状、さらにはシャツの生地の硬さなどで使いやすさは大きく変わることが今回わかりました。それだけに具体的な用途をお話したり現物を持ち込んで相談する理想的な対面販売のスタイルを地で行っていただけているご夫婦の姿にボタンの知識以外にも学ぶ事が数多くありました。
今回のボタン選びの余談ですが…
他にもとてもかわいい特徴的なボタンがありました。しかし残念ながら今回のシャツのボタンホールにはサイズが合わず断念。「いつかこのボタンが合うシャツを探します!」とボタンのために次回購入する服の条件を決める出来事もありました。
ボタンの楽しみ方はアクセサリーとしても
取り扱うボタンには細かな造形が施されたアンティークボタンや金属、ガラスといったキラキラとした材質のボタンもありこれらがアクセサリーとしても楽しまれているようになってきているとお話しながら店内の奥にあるテーブルにご案内してくださいました。そこにはアクセサリーショップのショーケースかと見間違えてしまいそうな指輪、イヤリング、ブローチといったものに加工されたボタンがありました。
ハンドメイドという言葉が身近に感じられるようになり、魅力あるボタンをアクセサリーやアート作品にリメイクする方が多くなってきたそうでハンドメイド作家やアーティストが日本全国、さらには海外からも訪れているそうです。
またご自身で加工が出来ないという方に向け、ご主人が加工をしてくださいます。店内にはご主人が作られたアクセサリーも数多く並べられ、どんな形に加工出来るのかもイメージしやすくなっています。
奥様が日々更新しているブログにも注目
お店のホームページ内にはボタンの魅力を伝えてくれるブログがあります。これは日本の繊細な四季折々の表現をボタンを通じて感じてもらいたいと奥様がオープン時から始められたものです。
日本の少しずつ移り変わる気候に合わせ選ばれたボタンで季節の日記をつけたり、チョコレートやマカロンやモンブランといったスイーツやデザートに似たボタンと一緒に撮影しボタンの精巧さを感じる事が出来るこのブログはボタンファン必見です。
実際にボタンを選び、撮影している様子もお話を伺う事が出来ましたが奥様自らとってもボタンを楽しんでいて、その楽しんだ思いを我々にお裾分けしてくださっているかのように感じました。
これから年末年始は服を購入する機会も多くなる方も多いのではないかと思います。
新しい服のボタンを付け替えてみたり、ボタンを用いたアクセサリーと一緒にコーディネートしてみたりとボタンを楽しむ機会を立松ボタンさんで皆さんも体験してみませんか?
MAP
車でご来店の際はお店の向かいにあるコインパーキングをご利用下さいとの事でした
店名 | 立松ボタン |
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場所 | 愛知県名古屋市中村区名楽町2丁目14 |
電話番号 | 052-482-3148 |
営業時間 | 10:30-19:00 木曜日、3.4.5日曜日定休 |
ホームページ | http://www.tatematsubutton.com/ |
ブログ | http://blog.tatematsubutton.com/ |