廃線跡の秘境で観る美しい紅葉!『愛岐トンネル群』秋の一般公開

観光

名古屋近郊にはさまざまな紅葉の定番スポットがありますが、まさしく「秘境」というべき知る人ぞ知る場所が、春日井市の愛知県と岐阜県の県境付近に位置する『愛岐トンネル群』です。

旧国鉄廃線跡として文化的価値も高く、国の登録有形文化財にも指定され、年々注目度が高まっているスポット。

毎年春と秋にそれぞれ約10日間ずつしか一般公開されないレアスポットですが、今回は秋の紅葉の魅力を徹底的に紹介します。

春と秋だけの限定公開!「定光寺」駅から行く廃線跡散策

「愛岐トンネル群」とは、1900年までに造成された旧国鉄中央(西)線・高蔵寺〜多治見間にある14基ものトンネル群のことです。

1966年に同区間は廃線となり、それから約40年後の2005年に至るまでその存在は藪の中に埋もれ、人々の記憶から忘れ去られていましたが、市民グループによる探索/発掘調査が行われ、2008年に初めて一般公開。

その後毎年春と秋にそれぞれ約10日間ずつ期間限定公開され、立ち入ることが出来るようになっています。

公開されているのは、JR中央線「定光寺」駅の上流300mの場所からスタートする、片道約1.7kmの区間

往復の所要時間は約2時間で、14基のトンネルのうち4基のトンネルの姿を観ることができます。

2016年7月には国の登録有形文化財に認定され、近年どんどんその文化的価値に注目が集まっているスポットなんですよ。

 

魅力その1:廃線/旧跡としての魅力

魅力の一つは、やはり「廃線/旧跡としての魅力」。

トンネルは珍しく崩落もほぼ起こらず、1900年の開通当時のままの姿を現在に留めてくれています。

内壁には煤が残り、蒸気機関車が走っていた名残が見られ、まさしく時の止まった場所のような感覚をおぼえるでしょう。

散策路の途中には、古いレールを再利用した落石防止柵のほか、廃線の残存物としてレールを枕木に取り付ける「犬釘」をはじめとする部品や工具などが展示されており、鉄道遺産としての価値も非常に高いです。

道中はほぼバラストが敷き詰められた地面のため歩きにくさを感じますが、整備され過ぎていない良さがあります。

在りし日には岐阜や長野の森林資源や窯土を運搬し、「ものづくり愛知」の基盤を形成したこの道へのノスタルジーにふけってみるのも一興ではないでしょうか。

 

魅力その2:紅葉と自然

秋の一般公開は何といっても、赤レンガのトンネルと紅葉の織り成す情緒あふれる風景が最大の魅力です。

道中には300本ものモミジが自生。
特に入口から数えて二つ目のトンネル・4号トンネルを抜けた先には愛知県内でも最大級といわれる大モミジ」の姿を眺めることができ、トンネルに覆い被さるように彩りを添えてくれています。

また散策路の脇を流れる庄内川(玉野川)の美しい渓谷の風景も非常に美しいです。
一定間隔ごとに休憩所が設けられているので、川を眺めながら安らぎのひとときを過ごしてみるのもいいですね。

また最奥部近くでは、1895年から1896年の一年間だけ通じていたとされる幻の道『玉野古道』が開けているほか、V字の渓谷『玉野渓谷』では河原でピクニックを楽しむこともできますよ。

これらの道は廃線部とは違いアップダウンの激しい山道のため健脚者向けですが、深く美しい自然を堪能したい人には是非ともおすすめです。

 

注意点など

愛岐トンネル群の一般公開に出かける際の注意点をまとめました。

◆アクセスはJR「定光寺」駅を利用
近辺に専用駐車場は存在しないため、鉄道の利用が必須。
定光寺駅は通常1時間に2本のみの停車ですが、トンネル公開期間中の土日祝日の日中は快速電車が特別停車します。

◆歩きやすい靴で!
出来るだけ底が厚めのスニーカーなどの着用がおすすめ。

◆懐中電灯は必須!
トンネル内は暗いので懐中電灯で照らす必要。なければ携帯電話のLEDライトでもある程度代用できます。

ペットは入場できません

弁当・飲み物の販売有り…ですが売り切れ注意!
道中の売店やマルシェで弁当や飲み物などが販売されていますが、週末など人出の多い日は売り切れの可能性があります。ピクニックを楽しみたい方は食べ物を持参したほうがよいかもしれませんね。

 

一般公開の開催概要は?

春/秋の一般公開の開催概要は、愛岐トンネル群保存再生委員会 公式サイトで確認出来ます。

ぜひ限られた季節にしか見られない幻の秘境の姿をその目に焼き付けてみてくださいね。

 

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