有松『ダーシェンカ・蔵』築90年の蔵の中庭で彩りあふれるパンを味わう。

旧街道沿いに隠れた趣あふれる天然酵母のパン屋さん

旧東海道の茶屋集落であった街・有松。伝統工芸「有松絞り」でも有名ですよね。
名鉄有松駅の南側には、今もなお江戸時代からつづく町屋建造物が連なる界隈があります。

その中でもあまり外からは目立たない場所にありながら、知る人ぞ知る名店として人気なのが「ダーシェンカ・蔵」。
通りの途中にあるこの犬の絵が描かれた看板が目印です。

小径を入っていくと「日本料理やまと」という看板が掲げられた母屋があり、「あれ？お店を間違えたかな？？」と一瞬思ってしまいますが、気にせずに扉を開けて入っていきましょう。

昭和初期に建てられたとされる旧絞り問屋『神谷半次郎邸』の家屋をリノベーションした建物内部。
有松絞りも部分的にあしらわれとても趣のある空間です。

一番奥まで進むとかわいらしいパンたちが並んでいます。

実はこのお店、愛知県幸田町に本店がある人気のパン屋さん『緑と風のダーシェンカ』の支店。
オリジナルの石窯で焼かれた（※現在は有松店では焼いていません）パンたちは、オーガニックの小麦と手作りのフルーツ酵母を使用しており独特の風合いが魅力です。

もちろんこれらのパンをテイクアウトするだけでもいいのですが、せっかくこのお店に来たならば、店内カフェを利用しない手はありません！

中庭カフェでコーヒー＆スープを味わう

お店のレジの横にある扉から神谷半次郎邸の中庭に出ることができ、こちらで購入したパンなどをイートインすることができます。

裏側から見ると建物がまさしく「蔵」の造りをしていることがありありと見て取れますね。

緑に囲まれ隔てられた箱庭感がとにかく素敵！
テーブルはないのですが、パラソルの下に並べられたベンチに腰掛けていただくスタイルです。

イートインする場合は、オーガニックコーヒーや季節の素材を使ったスープもいただくことが可能なんです。
オーダーして席で待っていると、お店の方が運んできてくれます。

こちらは『きのこと挽き肉のデミグラスシチュー』。
細かめの挽き肉がたくさん入って具だくさん感ありあり。体の芯からあたたまりますよ。

そして一緒にいただいたのはこの店の名物『有松絞りパン』。
有松絞りをイメージした彩りあふれる食パンなんです。

写真のものは秋バージョンで、かぼちゃの生地にさつまいも、渋皮栗がところどころに織り込まれています。
スープにディップしても食べてもいいですね。

2Fにもカフェスペースあり

実はイートインスペースは中庭だけではなく、蔵の2Fの室内にも設けられています。
悪天候の日や外で食べるのが厳しい真夏・真冬の季節にはこちらを利用するといいでしょう。

大きく太い梁を目の当たりに出来る屋根裏のような空間。和風の装飾も施されてかわいらしいです。
トースターが置かれているので好みに合わせてパンを温めることも可能ですよ。

おすすめのパンたちをテイクアウト！

ついでにおすすめのパンたちをいくつかテイクアウトしてきたのでご紹介します。

◆『ダーシェンカ』
店名が冠された一押しのパン。くるみとレーズンがゴロゴロ入って、ハードな表面とふかふかの内部の食感が抜群。手軽に食べやすいです。

◆『プレミアムくりーむぱん』
小麦の優しい味わいが活きる生地と素朴な卵の味わいが感じられるクリームのハーモニーが◎。
歯応えがソフトすぎる！

◆『お茶のベーグル』
種類豊富なベーグルの中でも、こちらはお茶の芳醇な香りがする和風な一品。
もちもちとふっくらを兼ね備えた小さいながらボリューム感を感じるベーグルです。

◆『カレーパン』
丸々としたかわいらしいルックスのパンの中には、香りのいいカレーの他、ひよこ豆・コーン・ミンチ肉が詰まっています。

◆『あんパン』
モチモチ生地の中に香り豊かなこしあんがたっぷり。くるみがいいアクセントになっています。

まとめ

観光で訪れる人も多い有松の街ですが、意外と美味しいコーヒーを飲みながらゆったりと休憩できるスポットがないのでこのお店の存在は非常に貴重。
ダーシェンカの天然酵母を使った個性的なパンも名古屋中心部にいるとなかなか買えないので、有松に行った際にはほぼマストで立ち寄りたいお店といえそうですね。

専用駐車場はないので来店には公共交通機関の利用をおすすめします。

※メニューや価格等の情報は2018年11月時点のものであり、変更となる場合がありますのでご了承ください！