戦国時代を体感せよ!関ヶ原古戦場記念館が充実の内容だった件

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「こんなにも狭い範囲で何万人どうしがぶつかる戦がかつてあったのか!」関ケ原古戦場記念館の5階展望室から古戦場を見渡した筆者の感想だ。

慶長5年(1600年)美濃国(現在の岐阜県)不破郡関ケ原で天下を分ける争いが勃発した。日本を東西に分け、西軍は毛利輝元、東軍は徳川家康を総大将にして総勢15万人以上が参加した戦いが起こったのだ。ドラマや映画では壮大なスケールで描かれることが多い史実だが、合戦の地を訪れてみると意外とコンパクト。実は新幹線で名古屋から大阪へ駆け抜ける途中、同所を通過するのだが、時間にして60秒ほどで通り過ぎてしまうのではないだろうか?というくらい関ケ原古戦場は実はコンパクトな場所なのだ。

教科書でも出てきた関ケ原の戦いをガッツリと一日かけて学ぶことができる施設がここ、岐阜関ケ原古戦場記念館(以下、古戦場記念館)だ。

今回は名古屋から車で1時間ほどの場所にある古戦場記念館を紹介するぞ。

岐阜といえば戦国時代だ

写真提供:岐阜関ケ原古戦場記念館

岐阜県といえば織田信長が岐阜城(当時は稲葉山城)を攻め落として、天下統一の足がかりを作った場所だ。時代劇や大河ドラマでいくつも描かれ、戦国時代が好きな方なら何度も訪れただろう。

そして関ケ原だ。1600年に起こった関ケ原の戦いはそれだけでも題材になった映画やドラマが数多く存在する。でも実際に関ケ原の戦いが行われた土地を訪れたことはあるだろうか?

岐阜県には古戦場や城跡が数多く存在していて、令和になった現代、各地の城跡や古戦場が見学しやすいように整備されている。関ケ原古戦場は整備が続けられ、訪れた戦国好きの観光客を楽しませてくれている。

関ケ原町では古戦場の整備、陣跡の整備に加えて、残っている陣跡にはのぼりと石碑が建てられ、町全体から古戦場の雰囲気が伝わってくる。

のちにまとめるが、陣跡が整備され、関ケ原町全体を周遊できる仕組みになっていて、一日中関ケ原古戦場を楽しむことができるのだ。

今回紹介する古戦場記念館は徳川家康最後陣地の横に建っていて、徳川家康最後陣地、石田三成陣地の両方を望むことができる。レンタサイクルも行っており、別館には土産物や戦国グッズの販売を行う売店、レストラン&カフェがあり、ハブスポットになっている。またJR関ヶ原駅からも近く、車だけでなく列車でも訪れることができるのだ。

古戦場記念館の展示に驚く!

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古戦場記念館に一度入ると圧倒的な展示数に驚く。外観からは想像出来ないほど濃い内容で、そのほとんどがレプリカ展示ではあるが、関ケ原の戦いにまつわる展示ばかりであり、前後の歴史も順に学べる仕組みになっている。では各階順に何があるかを紹介しよう。

1Fは圧倒的な映像体験

写真提供:関ケ原古戦場記念館

1Fはグラウンド・ビジョンとシアターになっている。ここは事前予約制とのこと。感染症対策で密を避けるために人数制限がかかっているためだ。

入口を入ってすぐにグラウンド・ビジョンが迎えてくれる。巨大な足元のスクリーンで全国を舞台とした物語構成となっており、合戦前日までと当日の東西陣営の動きを学ぶことができる。またこの合戦がいかにスケールの大きな戦いだったかを俯瞰できる。

写真提供:関ケ原古戦場記念館

シアターは関ケ原の戦い当日の様子を再現している。大軍団同士がぶつかり合う迫力の映像を巨大スクリーンで体感できて、まるで合戦当日に紛れ込んだかのような没入感を味わえる。

1Fのシアターは事前予約制のため、下記リンクから予約サイトに飛べるので是非利用してもらいたい。

岐阜関ケ原古戦場記念館予約サイト

(※リンクをクリックすると予約サイトへジャンプします)

2Fは展示ルーム、貴重品も並ぶぞ

写真提供:関ケ原古戦場記念館

2F展示室では、戦国時代に各地の武将が交わした書状や関ケ原の戦いに関する武具の展示が展示されており、関ケ原の戦いに至るまでの経緯、戦い当日の流れ、戦後処理などについて学ぶことができる。

写真提供:関ケ原古戦場記念館

戦国体験コーナーではクロマキーを利用した写真撮影もできる。陣羽織を身にまとい、撮影してみてはどうだろう?背景に関ケ原合戦の屏風が映し出されるため子供だけでなく大人も楽しめてしまう。

写真提供:関ケ原古戦場記念館

また戦国体験コーナーではレプリカの刀剣を持つこともできる。

展示室は撮影禁止だが、合戦にまつわる幾つもの展示品がその凄まじさをものがたる。時代を築いた場所に立っていると体感できる素晴らしい展示品ばかりだ。ここの展示を見て学ぶだけでも十分に訪れる価値がある。

5F展望台は古戦場の全景を望める

写真提供:関ケ原古戦場記念館

古戦場記念館の最上階(5F)は展望室になっていた。ここでは実証実験中ではあるがロボットが古戦場の見どころを解説してくれた。実際の古戦場を臨みながら、解説を聞くことができた。

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取材日はちょうど、石田三成の日(3月27日)にちなんで地元関ケ原町で活動する古戦場おもてなし武将隊関ケ原組が来ていた。

記念にと一緒に写真におさまったのだが古戦場の武将印を頂いた。時々武将隊が訪れてイベントもやっているようだ。

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名古屋城といい岐阜城といい、武将隊としてこうして地域を盛り上げるのは大切だ。そしてイケメン揃いである。

5F展望室からは各陣営の陣跡が見える。ここへ来てみると驚くのだが、関ケ原の戦いの地がこんなにも狭小の盆地だったと改めて思う。ここに東西合わせて15万人もの人が斬り合いを行ったりしたのである。

関ケ原を走りまわるハブスポットだ!

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古戦場記念館ではレンタサイクルの貸し出しや関ケ原を歩いて回る史跡ガイドも行っている。受付もここ古戦場記念館1Fで受け付けているので、午前中は古戦場記念館、午後から史跡ガイドによる周遊も楽しめる。レンタサイクルで関ケ原町を周遊するのも面白い。電動自転車の貸し出し(台数が限定される)もあるので体力に自信のない筆者でも改めて周遊に訪れたいと思う。

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またお土産もこちらで購入できる。岐阜県の名産品を集めただけでなく、岐阜県の姉妹県である鹿児島県からの名産品も5月8日までの期間限定で扱っていた。島津は江戸時代以降も美濃地方と関わりが深い。

古戦場記念館、中身が濃いばかりでなく、のんびりと関ケ原古戦場を周れるハブスポットになっているようだ。キャンピングカーで訪れて、ここから伊吹山や滋賀方面へ向かう人も少なくない。列車で名古屋から訪れてもJR東海道本線を使えば1時間以内で向かうことができる。

車で行くのであれば名神高速道路が圧倒的に便利だ。名古屋から1時間以内ではないだろうか?

古戦場のその狭さに驚いたが、1日で駆け回ろうと思うと朝から晩まで楽しめる。関ケ原、かなり面白い……。

MAP

施設概要

場所 岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原894-55
営業時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)

休館日は毎週月曜日(祝日の場合は営業)
年末年始(12/29~1/3)

料金 一般:500円

高校生・大学生:300円

中学生以下:無料

※団体割引あり

公式サイト 関ケ原古戦場記念館