最近はどんな観光雑誌を見ても【パワースポット】推しに枚挙に暇がない。
私なぞはスピリチュアル的要素は信じていないし、観光地が”パワー”を持っているという概念にはまったくもって否定的であった。
しかしながら、前回『竹島水族館』の記事で”竹島にデートに行ったら彼女と別れた”ということを書いたら反響があり、
「竹島はデートに行くと別れるスポットの定番だよ」と人に言われた。
…そ、そうだったのかっ!!!
私自身すでに20数年前にパワースポットのばちかぶりを受けている張本人だったのだ。
とはいえ別れた理由は竹島の神様の力ではなく、私自身が偏屈であったからなのは明白。
それよりも、竹島の歪んだ磁場のパワーが生み出したとしか思えない迷スポットがある。それが『竹島ファンタジー館』だ。
「ファンタジー」と「ロマン」を追求したが故にあらゆる歪みが見え隠れする必見の場所。今回はこの場所の「ファンタジーポイント」を6つに分けて紹介しよう。
●ポイントその1:住宅街にあってファンタジー
潮騒と海鳥の声に包まれる風光明媚な地・竹島の、「竹島水族館」と双璧をなす観光スポット『竹島ファンタジー館』。
開館は1983年だが、2010年をもって一旦閉館。その後碧南市の魚卸「かね高」が買い取り経営を継承、現在の館は2014年にリニューアルオープンしたものだ。
「貝と石のテーマパーク」と題された館の入口には、幾つものでっかいアコヤガイがパックリと口を開けてお出迎え。
中に入って数分後には、入場者たちの口もこの貝と同じようにパックリと開くのだが。。。
それよりも何よりも、この館と周辺のあまりにも普通すぎる住宅街的風景とのギャップがすごすぎる。
この観光地的に整備されたのではない、変わり者が趣味で作りました的な「秘宝館」臭がすでにマニアにはたまらないぃっ!!!
●ポイントその2:貝に囲まれてファンタジー
館内に入ると、妖しげなネオンライトに照らされた空間に、海底をイメージしたかのようないくつものオブジェが並ぶ。
実はこれらのオブジェ、すべてが貝で出来ているのだ!
ここで使われている貝の数はおよそ5,500万個!!
こちらの船が描かれた壁画などは、これだけで世界中から集めた約600種28万個の貝が使用されているというのだから驚きだ。
さらに見ものなのが館への来訪者を異次元へと招く「ファンタジードラゴン」。こちらも8万個の貝とサンゴなどの鉱物が使用されている。
実感が湧かない程のとてつもない量だが、その貝を一枚一枚貼り付けていくという制作作業を想像すると途方もない。
芸術を飛び超えて、制作者のある種の「執念」のようなものを感じてしまうのだ。
ポイントその3:やたらセクシー推しでファンタジー
大型の壁画やオブジェなどはある意味圧巻ではあるが、小さめのオブジェに目を落とすと、やたら女体が頻繁に登場するのが目につく。
日夜引き籠って貝を貼り付けていく制作者の身になって考えれば、女体へとロマンを馳せるのにも合点がいく話だ。
極めて微細な貝を並べて造られたマーメイド像。
バストトップには小さな美しい紫色のホタテ貝が貼り付けられて、うーんセクシー。
こちらはカリブ海の女海賊「ボン・リード」の像。
海賊らしいのは腰に付けた剣だけで他は特に海賊っぽい要素は1ミリもないが。。。
う、うーん、セクシー…??
ポイントその4:異次元に突入でファンタジー
館内を中ほどまで進むと現れるのがこの「時空のトンネル」。
ここから先は引き返せない世界へと進むという設定だが、これまでも十分に異次元であったため、渡るのにはなんの躊躇もなし。
ちなみにこのトンネル、10通りのカラーパターンのLEDライトがランダムに光るようになっており、渡りたいというよりもぜひとも写真に収めたいフォトジェニックスポットだ。
トンネルを渡った先に辿り着いたのはなんと…「龍宮城」。
やはりセンスが秘宝館的すぎる。
龍宮城では貝のオブジェの他に、全て金箔で塗り固められた橋が架けられている。
ここまでくるともう、金の方が豪華なのか、貝の方が豪華なのかいまいちよくわからない。
そして龍宮城を模した貝とサンゴの楽園に佇むのは、まさかの乙姫とその家来の格好をした4体のあやしすぎるマネキン。
さらによく見るとちっちゃいちっちゃい浦島太郎が亀に乗っているが、そこはかとなく漂うひな人形感。
さすがに乙姫様を貝で作るのには匙を投げたか。それとも龍宮城設定自体が後付けでやってきたための処置だったのか。
しかしながらここへきてついに秘宝館度はMAXとなり、マニア的満足感は充足するのである。
ポイントその5:恋愛成就でファンタジー
館の最後のエリアには、およそ10mの高さに及ぶ壁一面に並ぶ無数の貝が見られる。
この奥の場所には。。。
貝でできた小さなほこらと、そしてその脇には、恋愛成就の絵馬のごとき、縁結びのホタテ貝が!!!
ホタテを一枚一枚見ていくと、若人たちの切実なる願いが書かれている。
ふふっ、ウブよのぉ…
別れさせられる定番スポットであり、かつ恋愛に見向きもせず貝の女体像をせっせと作り上げた男たちの執念が渦巻くこのような場所で恋愛成就などとは…
ポイントその6:お土産売場でファンタジー
館内を全て見終わったところでお土産売り場コーナーに辿り着くが、そこに至っても竹島ファンタジー感は、まだ我々にとんでもないファンタジーを与えてくれるのだ。
それがコレ↓
坂上忍主演ドラマ『天界戦士ファンタジー伝説』のVHS!!
しかも
ワゴンセールで380円の投げ売り!!!!
このビデオ、どうやらファンタジー館と蒲郡市が20年以上前にオリジナルで制作した作品らしい。
強烈なトンデモ臭がするので中身が気になって仕方がないが、さすがの私もVHSデッキを持っていないので買っても観ることができない。
バーコードもついていないビデオなので市場に流通しているものではないようだ。
VHSデッキを持っている人は、ココでしか買えない代物なので、お土産にぜひっ!!
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最初から最後まで私たちの希望を裏切らない素晴らしいスポットであった。
大人気の「竹島水族館」へ行かれる際にもぜひ一緒に立ち寄ってほしい。
ちなみに何度か竹島が別れさせスポットである件について触れてきたが、最後に忠告しておく。
別れるのは、あんたらのせいじゃ!!!!
MAP
場所 | 愛知県蒲郡市竹島町28-14 |
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営業時間 | <3月〜6月、9月〜10月> 9:00〜17:00 <7月〜8月> 9:00〜17:30 <11月〜2月> 9:00〜16:30 |
定休日 | 水曜日 |
料金 | 大人:1,000円 小中学生:500円 幼児(3歳以上):300円 60歳以上:800円 ※年間パスポートあり |
公式サイト | 竹島ファンタジー館 |