庭園を臨むカフェも併設『文化のみち橦木館』の魅力とは?【文化のみちを歩く②】

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2018/08/17

名古屋市東区の白壁周辺は「文化のみち」と呼ばれ、かつては武家屋敷街、そしてその後陶磁器の絵付け師や加工商が集まり愛知の陶磁器産業の礎を築いた場所でもあるのです。
そのことを今に伝える象徴的な場所が『文化のみち橦木館』です。

大正ロマンを感じさせるモダンな意匠が配置された洋館と、古き良き日本家屋の姿を残す和館が合わさった和洋折衷の館の魅力からアクセス手段など詳しくご紹介していきます。

目次

文化のみち橦木館の歴史と概要

文化のみち橦木館は、輸出陶磁器商・井元為三郎によって建てられた館。
建設時期はおおよそ1926年とされており、これはすなわち大正15年/昭和元年の元号の移り変わる時期。
名古屋の人口が100万人を超え、東京・大阪に次ぐ三大都市の仲間入りをした時代です。

洋館・和館がL字型に同敷地内に建てられ、その中央に庭園を擁するこの館は、建築様式や装飾などから大正時代の記憶を今に残す場所といえますが、陶磁器産業がどのように発展していったかということに関する資料も数多く展示され、その歴史を語る場所でもあるのです。

この文化のみち周辺は、瀬戸や多治見へ続く街道沿いにあり堀川の船着き場にも近かったことから、陶磁器の絵付けや加工業者が多く集まっていたとされています。
当時日本で作られた輸出用陶磁器の7〜8割はこの地域で加工されていたというのですから驚きですね。

見どころその1:大正ロマンあふれるステンドグラス

この館の見どころといえばまず、大正ロマンあふれるステンドグラスの意匠の数々を挙げざるをえません。

為三郎は、当時最先端の流行であったステンドグラスを応接室や娯楽室などいたるところに配置。
お洒落な空間で、輸出用陶磁器のバイヤーなどを招き入れ商談を行っていたとされています。

2F洋間の欄間に施されたステンドグラス。クローバー、ダイヤ、スペードのマークを取り入れたポップなものであることがわかります。

その上部の天井と壁の間の廻り縁に施された装飾、またこの先のサンルームの床タイルなど、ほんとうに些細ながら見応えのある意匠が多いです。

意外に見落としやすいのが玄関のステンドグラスです。
入るときにはほぼ気づかないので、館を出る時にじっくりと観察してみるといいでしょう。

文化のみち二葉館などのステンドグラスに比べると全体的に派手さはありませんが、要所要所にアクセントとしてお洒落なデザインを取り入れる為三郎のセンスがよく現れているといえます。

見どころその2:古き良き日本家屋の姿をとどめる和間

2つ目の見どころは、和間です。

館の入り口からは全く存在を感じさせませんが、ある箇所の敷居を一つ挟んだ先には、庭園を囲んだ広く落ち着いた和室、そして縁側があります。
同敷地内に洋館と和館を合体させたような造りにするのが、当時のセレブリティの間では流行だったのでしょう。

そこに広がるのは古き良き日本家屋の姿。
風通しもよく、庭の草木の香りとい草の香りが入り混じったような心地良い香りがそこはかとなく漂います。

ほのぼのとした空間の中にも、趣向を凝らした欄間の装飾などのアクセントには事欠かず、見学する私たちを楽しませてくれる要素はじつに無尽蔵です。

広間の先には昭和初期の姿をとどめた台所も見ることができます。
ここにきて生活感満載の空間が登場するというのも面白いポイント。
日本の古い映画やドラマでしか見ることのできないような光景が眼前に広がります。

見どころその3:庭園を臨むカフェ

敷地中央にある庭園は洋間と和間をつなぎ、緑豊かで四季折々の風情を感じさせてくれる場所です。
樹木や植物のほかにも巨大な庭石にも着目して見ると面白いです。

また、庭園に面した洋館1F・旧応接室は『SHUMOKU CAFE』として営業。
ムレスナティーやイタリアンジェラートなどのメニューが楽しめるほか、ミュージアムグッズの販売も行っています。
(営業時間は10:30〜16:00)

庭園にせり出したパーゴラの下の席では、春や秋の穏やかな天候の日には最高に心地よい時間を楽しめそう。

近代と現代をつなぐ閑静な空間の中、日本の風情、そして名古屋の隆盛した時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

アクセスと開館時間などその他の情報

文化のみち橦木館への公共交通機関でのアクセスは、地下鉄では、桜通線の「高岳」駅から徒歩約10分。
バスの場合は名古屋駅のバスターミナルから、なごや観光ルートバス「メーグル」で「文化のみち二葉館」停留所から西へ徒歩3分、
基幹2系統「清水口」停留所から徒歩約5分、幹名駅1系統「東片端」停留所から徒歩約3分で到着します。

場所 名古屋市東区橦木町2-18
開館時間 10:00〜17:00
※カフェは10:30〜16:00
休館日 月曜日(祝日の場合は直後の平日)
12月29日〜1月3日
入場料 大人:200円 中学生以下無料
文化のみち橦木館共通観覧券:320円
公式サイト 文化のみち橦木館