串焼きの煙の薫る名駅のディープスポット『八幡屋』でせんべろ体験【ラガー大びんの似合う店④】

グルメ

近年、【せんべろ】という言葉が世のサラリーマン達の間で席巻している。
「千円でべろんべろんになるまで飲む」という意味の言葉だ。
厳しい財布事情に加えて、酒をより手軽にささっと楽しみたいという世相の表れかもしれない。

名古屋にもせんべろ居酒屋は幾つも存在するが、名古屋駅の外れにある『八幡屋(やわたや)』は、財布に優しい価格帯で気軽に飲める店、という意味ではうってつけの店かもしれない。
ただ、ライトな客を寄せ付けないディープな雰囲気という意味では、些か手軽でないかもしれないが。。。

yahataya15

名古屋駅前から北へ600mの地『牛島町』交差点。
「ルーセントタワー」や「ノリタケの森」にもほど近いこの場所まで来ると、都会の喧騒も若干和らぐ。

yahataya14

この街の再開発をギリギリ免れた感の強い界隈に、何件も居酒屋が立ち並ぶ。
交差点に一番近い場所にある店が「八幡屋」だ。
軒先で立ち飲みしている客が早くも一名。。。

yahataya12

知っていないとわざわざ来ないであろう場所にも関わらず、店内は人で溢れかえっている。
狭苦しいように見えるが、隣にもう一つ軒があるため店は意外と広い。

yahataya5

この店にポテトサラダやフレンチフライといったライトなメニューは一切存在しない。
あるのは串焼きのみ。
しかしながら、串ものは一本80円からと非常にリーズナブルだ。

早速『とん焼き』をオーダーする。

yahataya3

男らしく素っ気ないこの店には、おしぼりや紙ナプキンというような文明的なものなどあるものか。
席に備え付けられた新聞の切れ端を一枚手に取る。

yahataya6

ベタついた串の持ち手を新聞紙で包んで食べる。
それがこの店のスタイルだ。
串から直接噛み切るとん焼き。ジューシーながらも弾力のある大人の男の味わいを感じる。

yahataya2

冬に嬉しいおでんを四種類オーダー。
大きな鍋で漬け込まれ、串まで味噌で真っ黒だ。

yahataya4

こんにゃく(90円)。
まさしく名古屋の味と言わざるをえない、濃厚な味噌のコクが口の中でまとわりつく。

yahataya7

(90円)。
三つ又に分かれた串がユニーク。口の中に入れた時に、アツアツの黄身がほふっとなるのも一興。

yahataya8

はんぺん(90円)。
味噌で覆われた外身と、鮮烈なピンク色の中身のコントラストが楽しい。

yahataya10

揚げ豆腐(90円)。
まろやかな味噌とふんわりとした豆腐という傑作的な食感。
真っ白な中身までもを味噌をつけて満たしたくなるのは名古屋人の性なのか。

yahataya9

この場所で何十年も串を焼き続けているであろう大将の背中を横目に、次々と人が出ては入っていく。凄い回転率だ。
閉店が21時と少し早めなため、早々と飲んで帰る客が多い。

さらには串焼きをテイクアウトで買って帰る客が、寒空の下何人も待っているのが伺えた。
皆何十本という単位で購入している。中にはどて串を土産に、これから新幹線に乗る人もいるそうだ。
確かにこの味噌味は、名古屋でなければそうそうは出会えない。

yahataya11

それにしても店内は串焼きの煙がものすごい。
目に染みる程の煙にも嫌悪感を感じなくなったのはいつからだろうか。
思えば自分の人生も、煙(けむ)に巻かれてきたようなものだ。。。などと思いながら、また一杯。

ビール大瓶630円、とんやき80円、おでん90円×4本、締めて1,070円
べろんべろんとまではいかないかもしれないが、十分な酔い具合だろう。
ご馳走さま。

 

※記事中に表示された価格は2017年2月時点のものであり、変更になる場合があります。予めご了承ください。

◆取材協力/キリンビール株式会社

MAP

場所 名古屋市西区名駅2-18-7
営業時間 (月〜金)11:30〜13:00/17:00〜21:30(L.O.21:00)
(土)16:30〜20:30(L.O.20:00)
定休日 日曜・祝日
※その他年末年始、お盆、GW休業あり