愛知のハイレベルすぎるテーマパーク『五色園』。100体以上の塑像達に出会えるか??

その他

2017/03/15

東海地方の観光関連で今年一番のトピックといえば、「レゴランド・ジャパン」のオープンだ。
貴重な観光資源として期待はしているが、私なぞは独り者のはぐれ者ゆえ、到底あのファミリアーな雰囲気にそぐうとは考えにくい。

従って、私に語る資格のあるこの地方のテーマパークといえば何処だ?と思案を巡らせてみた。
この地方の強烈に特徴的なテーマパークといえばここしかない。
愛知県日進市にある『五色園(ごしきえん)』は、広大な敷地内に100体以上もの人形作品が立ち並ぶ、日本唯一の仏教テーマパークなのだ。

仏教!?100体以上の人形…??…心がゾクゾクし始めた…!という方のみ、この先を読み進めてほしい。

◆ 山間に広がる巨大宗教公園「五色園」

名古屋市に隣接しているとはいえ、日進市の中でも風光明媚な香りが強くなっている山間に存在する「五色園」。
その入口は写真のような実に質素な姿をしている。
料金所のようなゲート…実際中に人がいるのかどうかすら怪しい。
知らなければここが一大テーマパークの入口であることに気付かず通過してしまうであろう。

五色園は「五色山大安寺」を中心した敷地面積約20万坪の宗教公園。
面積だけでいえば、レゴランド・ジャパンはおろか、なんと東京ディズニーランドをも凌ぐものではないか!!
一日で回りきるのは困難であるのは容易に想像がつくが、参拝者が利用可能な宿泊所も併設されている。

さらに園内は車の通行が可能な道路があり、なんとサファリ形式で回ることも(可能っちゃ)可能なのである!
なんなんだこの一大リゾートは。どんな旅行雑誌を見ても紹介されないのが不思議で仕方がない…!!

◆ 親鸞の教えを今に伝える塑像作品群

園内に入りしばらく進んで行くと、上の写真のような光景に出会う。
一見すると公園で開かれている太極拳教室か、はたまた座禅セミナーでも行われているのか…などと思い、一瞬素通りしたくなるが、よく見ると、むむっ、これは…

人形だっ!!!
これはすべて、コンクリート製の塑像なのである。

実はこれらは浄土真宗の開祖・親鸞聖人の教えを視覚的に伝えるために設けられたもので、塑像作品はすべて岐阜県の雄・浅野祥雲先生が制作した作品なのだ。

浅野先生の塑像作品といえば、『桃太郎神社』『関ヶ原ウォーランド』等にも設置されているため、これらのどちらかに赴いたことがある人ならば、その雰囲気を察していただけるであろう。

こちらの場面は『信行両座』というエピソード。
親鸞聖人がお師匠様の法然上人と相談し、多くの弟子たちを試しているところ。
聖人は弟子たちに本願を信じ続けること(信不退)と、念仏を唱え続けること(行不退)、どちらが大事か?と説く。

すると弟子たちの多くは念仏を唱えること()こそが正しいとし、そちらの座に付いた。

そこへ駆けつけた一人の僧侶。
遅刻してきたにも関わらずやけに勇ましげな顔。話を聞いて「」の座に付く。

すると親鸞聖人も「」の座に付き、最後に法然上人も「では、私も」との座に付いたというお話。

どっひゃーーー!的な、ドリフばりのドタバタコメディ。
私達が日夜唱え続けてきた念仏とはいったい何だったのか…僧達が一斉に座から崩れ落ちる姿まで目に浮かぶ。
現代のサラリーマンにも思い当たる節がありそうな逸話だ。

この場面だけですでに12体の塑像が登場しているが、トータル100体と仮定して、残り88体…
他の作品も駆け足で巡ることにしよう。

 

◆ “人形お遍路”はさらなるカオスワールドへ

こちらは親鸞聖人が田舎で田植えをしながら念仏を唱えているという場面、『御田植』。
田んぼの部分が実際にちょっとぬかるんでいるのがポイント。

滑稽なような人形にも、見ているうちに徐々に愛嬌を感じ始め、
最終的には「お兄さんお姉さん、そんな姿勢のままずっといて腰悪うならん?」と声をかけそうになる自分がいる。

こちらは宿を出て川を渡り、親鸞聖人が旅立っていくシーン。

名残惜しく後を追った宿屋の女将が広げた巻物に、聖人が「南無阿弥陀仏」の文字が浮かばせたというのだが、そんなはずがない。むしろこのおばあさん自体が妖怪に見えて仕方がない

こちらは念仏に魅せられた後鳥羽上皇の女房・鈴虫が、御所を夜逃げして出家するシーン。
突然訪ねてきた松虫に、何者かと弟子は刀を抜こうとまでしているが。。。

顔が不気味すぎる。

妖怪かと紛うのも致し方なし。
だが本当にこのような顔だったとするならば、実写化した場合日本人女優で演じられるのは樹木希林だけであろう。

他にも、親鸞聖人が石の枕で雪の中すやすや眠る姿がかわいいものの、後ろにいる相撲の行司みたいな人や家の中のおばさんが怪しすぎる『日野左衛門門前石枕』や、

豊臣秀吉の少年時代・日吉丸の逸話を表しているというもう仏教の世界はどこへいった的なわけのわからなさすぎる『日吉丸矢作橋出世の糸口』など、カオスワールドが至る所で展開されている。

 

◆ そして、五色園の終着点へ…

かなり園内を歩き回ったが、相当に辺鄙な場所にある人形もちらほら散見される。
そもそも園内マップと実際の道の形がかなり異なり非常にわかりにくいため、迷子になりそうにもなったが、
トータルで70体ほどはとりあえず鑑賞出来た。残りあと30体。。。

道はさらに険しいものとなってきた。
かなり急角度な傾斜。しかもシダ植物が足に絡みついてくるっ!!

案内図を見る限りはここに道があるはずなのだが、倒木が散乱、それどころか視界を低木が遮るというかなり激しい地帯に突入してきた。
それでも、この先にまだ出会っていない塑像達があると信じて、ひたすら獣道を進んでいく。
そしてついに…!!

完全に行き止まった。。。

この先はもはや崖レベルのカモシカしか通れないような急斜面。
どこでどう間違えてこんな場所に辿り着いたのだろうか。
まるで人生、いやまるで仏道の如く困難な道。その道を極めた者にしか全ての人形に出会うことは出来ないのであろう。

結局私には70体程度しか確認することは出来なかったが、信心深く、なおかつこんな珍妙な記事をここまで読み進めてくれた神聖な貴方ならば達成することが出来るかもしれない。
是非とも、【人形100体ご遍路】、暇と時間があれば挑戦してみてはいかがだろうか。

*

最後になるが、
どう間違えても夕方17時以降にこの公園に立ち入ってはいけない!!!
暗くなると公園の人形たちがひとりでに動き出すとか動き出さないとか。。。。

MAP

場所 愛知県日進市岩藤町一ノ廻間932-31
開園時間 8:00〜17:00
料金 無料
公式サイト 五色園