名古屋・覚王山に本店を置く高級食パンの「い志かわ」が岐阜に初出店した。場所は岐阜県可児市の西部、団地が並ぶ地区で20年以上続いている八百屋さんとタッグを組んだ新形態の店舗だ。
挑戦的な試みとみえるが、い志かわのクオリティーを守りつつ、八百屋ならではのアイディアがとてもユニーク。
今回紹介する「い志かわ・可児店」には何があるのか?詳細を報告する。
高級食パン専門店「い志かわ」が可児に出店した理由
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名古屋の注目スポット「覚王山」に本拠地を置く高級食パン専門店が岐阜県可児市に進出した。同社の岐阜県進出は初。地元に根付いた八百屋「まるかつ市場本店」の敷地内に「い志かわ・可児店」として令和4年3月24日にオープンした。
い志かわは覚王山の本店をはじめ、中部地方を中心に9店舗を展開、可児店が10店舗目となる。
地方の食料品店との相乗効果を狙った展開で高級食パンと季節のフルーツを楽しめる店舗になっている。い志かわの試みは地域密着の店舗展開で、高級食パンを扱う他店舗と差別化を図っている。い志かわ可児店はオープンから連日完売が続き、予約販売の予定もこの先好調とのことなので地域密着型の店舗展開の滑り出しは上々のようだ。
2年ほど前にブームとして取り上げられた高級食パン、今ではすっかり落ち着いて過渡期に入り、各社とも路面店の撤退やコロナ禍での苦戦が続いている。い志かわは地域密着型の店舗展開を模索して膠着状態が打破できるか、可児店の動向は今後のパン屋さんの未来を見ているようだ。
高級にはワケがある!い志かわの食パンを推す理由
筆者は食レポができない。地方在住の専業ライターなのにこれは致命的な欠陥だ。名古屋情報通では主にイベントレポや観光地の紹介を担っている。それはいいのだが、美味しい何かを食べると、語彙を失う。美味しいものを美味しいと表現するだけになってしまい大変申し訳無い。
い志かわの食パンを頂いた感想を率直に書き込むと「今までにないくらいキメの細かい食パンで、流行りの甘い食パンとは違い、しっかりと食感を楽しめる食パンだ」となる。なるべく細かく表現すると上記のようになるんだが、一言でまとめると「美味しい」である。
なにより驚くのがその重さだ。試食用に販売用の2斤食パンを頂いたのだが、水分の含有量が多いのかどっしりと重たい。
薄切り(8枚切り)にしてホットサンドを作り、試食したのだが外はカリカリなのに中はもっちり、いやもっちりではない、ふわっともっちり、が正しい。
まるかつ市場には中食も売られていて、メンチカツや唐揚げ、季節の野菜などが手に入る。それらを「具」としてホットサンドを色々と作ったのだが、何を挟んでもパンがそれら食材の良さを引き立てる。パンが邪魔しないのだ。
高級パンを買ってきて、休日の朝に厚切りにして美味しい珈琲とともに頂くのもいい。優雅な休日の始まりとしてアリだ。というか贅沢な時間だ。
また、写真は載せないが贅沢に厚切りにして中心に包丁を入れ、カレーなどを挟んでもいい、というか挟め。もうそれだけで一食分のカロリーを補給できる。なんならビーフシチューでもなんでもいい、濃い味付けの何かを挟むと食パンの優しい味が絶妙なバランスを取ってくれる。美味しいだけの語彙になる理由はここにある。
い志かわの食パンはどこの店舗でも同じ味を出せるように厳格なレシピと工程が守られている。食の安全を第一にどこで購入しても同じ味が出せるのには驚く。まるかつ市場・可児店が開業したのは令和3年10月のことだが、い志かわの開業が同時ではなかったのは、い志かわの食パンの味を守るために準備された期間だという。覚王山店で初めて味わった高級食パンの味そのままに地域密着型の店舗展開がなされるのはその地域の人達を笑顔にする。美味しい何かは自然と人を笑顔にするのだ。
クリームたっぷりフルーツサンドはご褒美か?
い志かわの高級食パンは名古屋の本店や他の店舗でも同じ味のクオリティーを保ち提供される。では可児店だけで味わえるフルーツサンドを紹介しよう。
まるかつ市場の前身はフレッシュライフという小さな移動販売が始まりだ。岐阜県可児市の西部には昭和の終わり頃まで団地が整備された。昭和50年頃に名古屋のベッドタウンとして注目を集め、名古屋に勤めていた団塊世代が郊外に家を持つようになった。そのニーズを満たすために名鉄を始め多くの住宅メーカーや不動産会社が開発した地区がまるかつ市場の本社がある場所だ。ちなみに名古屋まで名鉄直通路線がある。始発に乗り、新幹線の始発にも乗れるし何気に便利な場所である。
可児市といえば明智光秀の生誕地だとか美濃焼の前身、織部焼の窯があったりする。大河ドラマで明智光秀が取り上げられた年は多くの観光客が訪れた。どちらかといえば陶器で有名な多治見市方面の可児市がメディアや新聞に取り上げられることが多い。可児市の西部は犬山市に近いこともあり、なかなか話題には登らないが戦国時代には木曽街道、中山道の交差点のような地区で古くから人の往来があった場所だ。実はある武将のゆかりの場所でもある。
さてそんな忘れられた場所にまるかつ市場の本社はある。先代の小さな移動販売から路面店を建て、コツコツと積み重ねて今では地域で愛される八百屋さんとなった。そして扱っている野菜や魚は間違いなく、お肉はスーパーでは扱わないような高級和牛から地鶏までとにかく地域性を大切にされている。
この道何十年の目利き人が毎朝仕入れるフルーツを高級パンで食べる贅沢を想像してほしい。ここのフルーツサンドを目的に、可児市西部や犬山市を訪れるのも悪くない、むしろ良い。オープン当時のフルーツサンドはいちごのみだったが、いちごの季節が終わると次は日本でとれるオレンジ、ぶどうなど季節によって変わっていく。まるかつ市場のフルーツとい志かわの食パンが素敵なコラボレーションを醸し出している。
フルーツサンドを見てみると、半分にカットされたパンの中になんと大きなフルーツがごろごろと入っている。クリームは甘すぎず、フルーツの味を邪魔しない。あふれるギリギリの量でフルーツを包んでいるので食べるのに一苦労だが、食パンのふんわり感も相まって何個でもイケてしまう味である。カロリーは間違いなく高め。
すでに来年のいちごの季節が楽しみすぎるのだが、季節のフルーツを何にするのか、何になるのか気になって仕方ない。春〜初夏にはせとかという柑橘系のフルーツのようだ。せとか、あまり聞いたことないのではないだろうか?
フルーツサンドの価格は一つ800円。大の大人が一つ食べて幸せになれる値段だ。しばらくは予約が必要、運が良ければ予約無しでも購入できる。犬山へ観光へ来たなら、少し足を伸ばして訪れてみてはいかがだろうか?犬山城から車で15分ほどの場所である。
犬山、可児がおもしろい!
ここ数年、犬山の城下町は安心、近い、便利ということで犬山から車で2時間圏内の小旅行トレンドに乗っている。
何度訪れても犬山城の天守閣から望む景色は雄大だし、城下町には食べ歩きができるお店が数多くある。
少し郊外へ足を伸ばしてみると、リトルワールドや明治村があったり、可児方面へ行けば明智の荘の跡が見学できたり、山城の跡を散策できたりする。戦国時代が好きな人は街道筋を歩き回れるのも魅力的だ。
もし、犬山で宿を取って、犬山以外を散策されるなら「木曽街道」の散策なんていかがだろうか?名鉄「犬山駅」から可児方面へ徒歩で東海自然歩道を使い向かってみるといい。ちょっとした山登りなのだが、勾配も緩やかで、犬山から善師野、そして可児へ至る旧街道が整備されている。犬山駅を拠点にしてトレッキング散策するのも旅の醍醐味ではないだろうか?
旅の最後に西可児駅へ向かい、い志かわ可児店へ寄って、旅のご褒美を楽しんでみてはいかがだろう?犬山、可児がなかなかに魅力的だ。
MAP
店舗情報
場所 | 岐阜県可児市帷子3-5-2 |
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営業時間 | 10:00~17:00 |
お問合せ先 | 050-88836124 |
公式サイト | い志かわ公式HP |