閉店が発表されてからはや半年、閉店となる6月を迎えた老舗百貨店『丸栄』では創業400年の歴史を振り返る『丸栄のあゆみパネル展』が最終営業日となる6月30日(土) 19時まで開催されています。
名古屋の発展と共に歩んできた丸栄の歴史を振り返る事ができる貴重な展示会をご紹介いたします。
丸栄は松坂屋、名古屋三越、名鉄百貨店も加わる名古屋百貨店『4M』のひとつ。創業から400年の歴史を持つ老舗百貨店丸栄が閉店するというニュースは昨年2017年の冬に飛び込み衝撃が名古屋中を走り当編集部でも紹介させていただきました。「え?閉店なの?」と閉店をご存知なかった方はこちらからお読みください。
創業から丸栄と世の中の歴史を振り返る年表
創業から400年という歴史を持つ丸栄、丸栄の母体となった『十一屋』の創業は元和元年(1615年)。日本では大坂夏の陣で江戸幕府と豊臣家の合戦があった年でもあります。
丸栄創業のもう一つの前身となった『三星』の創業、『十一屋』と『三星』の合併から昭和18年『丸栄』の誕生、戦争時の大空襲で社屋が全焼し焼け跡の中からの再スタート、戦後人々の慰安の灯をともすことを目的に娯楽施設として映画館『丸栄会館』の建設など現代人がなかなか知り得ることのなかった日本と丸栄の前史・躍進。
そして増築、新館のオープンといった萬進の後に経済に襲いかかるバブル崩壊やリーマンショックの影響からの転落、変革期に入り東京渋谷を代表する若い女性ファッションブランドの招致や地下フロアへ食品を広く扱う『デパ地下』への早期実現、そして閉店に至るまでになってしまった歴史を知る巨大な年表パネルは読み応え十分。
また年表と共に見ていただきたいのが写真パネル。貴重な時代を目で見て感じる事が出来ます。
変革と軌跡を感じるユニフォーム、広告物などの展示も
他には丸栄の変革と軌跡を感じるユニフォーム、手提げ袋やカタログ・冊子・チラシなどの展示もあります。
高度経済成長期の後、安定成長期のオイルショックやバブル崩壊を経た時代のユニフォームは俗にデパガと呼ばれた百貨店で働く女性の象徴的ファッション。当時を知る人からは懐かしさを感じるユニフォームではありますが、現代のユニフォームと並べても古臭さは感じません。それだけ当時デザインされたユニフォームは洗練されたデザインだった事が伺いしれます。
広告物はその当時の流行も感じる事が出来ますが、バブル期の広告物にはこういったものが売れていたんだ…と驚く方もいらっしゃるかもしれませんね。
またガラスケースに入った十一屋時代の貴重な広告物も見る事が出来ます。
丸栄との思い出を形にした作品やメッセージ
昭和20年代の丸栄と現在の丸栄の周辺をリアルに再現したジオラマの展示とその横には丸栄の建物の特徴をまとめたリーフレットが配布。今となってはここだけでしか見られないような貴重な芸術品についての解説が掲載されています。
他には創業400周年を記念して作成された巨大なキルト作品やスマイルアートプロジェクトと称した今年5月のGW中に行われた撮影会の写真と丸栄で働く人達の笑顔の写真約40,000点で作成されたモザイクアートは圧巻です。
また丸栄に関わってきた方たちからのメッセージも展示。働いてきた店舗の人からの思い出のメッセージや屋上ビアガーデンでライブを行ってきたご当地アイドルユニット『OS★U』や丸栄屋上発アイドルユニット『SweetSurrender』のメッセージも展示。
そして丸栄との思い出をメッセージで投稿できるコーナーも設置。既に多くのメッセージが壁に掲示されていますが会場ではメッセージを随時募集中しています。是非訪れた皆さんは丸栄との思い出やお店の方々への感謝のメッセージを残していきましょう。
開催場所は本館7階の特設会場
この『丸栄のあゆみパネル展』は閉店日となる6月30日(土)の19時まで開催。最終営業日は特に多くの方が最後のお別れに賑わうと思いますのでゆっくりと展示を見たい方はお早めに。
またこの展示会と同時に丸栄のラストイベントが数多く開催。
丸栄全館では『マルエイ全館閉店さよならセール』を開催していますが、6月14日(木)〜19日(火)では『リサイクルきものたんす屋大閉店セール』を8階大催事場にて、20日(水)〜29日(金)まで『鉄道忘れ物掘り出し市&理由あり品処分市』が26日(火)までは8階催事場(27日(水)〜29日(金)までは8階大催事場)にて、21日(木)〜26日(火)は中古カメラ・用品さよなら大バーゲンが8階大催事場にて開催。
他にも様々なイベントが最後の一ヶ月間も予定されています。詳しくは以下の催し物カレンダーを御覧ください。
残り1ヶ月となった丸栄、営業時間は10時開店で地下2階〜3階までは20時まで、4階〜8階までは19時までとなりますが最終日となる6月30日(土)は全館19時にて終了となりますのでお気をつけください。
展示会を見終えて
今回ご紹介した展示会を訪れた後に丸栄の中を歩いてみました。エレベーターのデザイン、壁面の大理石、細部の装飾など現代の建築ではなかなか見る事が出来ないアート作品やデザイン、材料も見かけました。建物の老朽化により今後取り壊しも計画されていますので是非訪れた際には店内をくまなく歩いて見て回るのをおすすめします。
そして今回訪れたのは平日だったので客足は少なめだったのですが、いくつかの売り場で訪れた常連のお客様との会話の光景を目にしました。そこにはかしこまったやりとりではなく、接客マニュアルにはない商人としての心のこもった人情味あふれる雰囲気を感じ心があたたかくなりました。
最後の一ヶ月は閉店に至った理由、閉店までの催し、建物を取壊した後の計画がメディアとして注目してしまうところではありますが、ここで最終日まで訪れる人をお迎えする丸栄商人の方々との思い出づくりにも読者の皆様には注目していただきたいと思います。
MAP
住所 | 〒460-8674 愛知県名古屋市中区栄3丁目3−1 |
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電話番号 | 052-264-1211 |
店舗営業終了 | 2018年6月30日(土)のみ19時まで |
公式サイト | 丸栄 公式サイト |